時は2018年2月、世間は韓国で開催された平昌オリンピックで沸いていた。
私は職場のテレビの前で、羽生結弦が見事なバラード第1番を舞うのを乾いた瞳で見つめていた。
手にはオリンピックの男子ショートプログラムのチケットを握りしめていた。
入手困難で転売サイトには10倍の値段で売り出されていたプレミアチケット、
推しの晴れ舞台に立ち会うべくあの手この手を尽くして手に入れたのに、なぜか私は現地の会場ではなく、都内の片隅のしみったれたボロオフィスで彼の演技を見守っていた。
観戦のため有給休暇を申請したところ、上司から
「体調不良でも家族の事情でもなく、自分の楽しみのために有休を取得することの罪」
を問われ、休ませてもらえなかったのである。
残業代のつかない残業をこなす日々。
今日は終電で帰れるだろうかとため息をついていると、
隣に座っていたタバコ臭いジジイがニヤニヤしながら軽口を叩いた。
「Mojoチャン、羽生結弦のおっかけなんかやってるから、男できないんじゃないの!?(*^^*)俺、相手してあげよっか!?」
24歳の冬、私の人生はわかりやすく詰んでいた。
EQ底辺のサイコパス上司に毎日怒声を浴びせられ、
金にならない残業を強いられ、
息の臭いジジイからセクハラじみたうざ絡みを受ける日々。
しかしコミュ障・発達障害グレーゾーンの自分には、こんな職場しか選択肢がなかったのである。
未来に希望はなく、人生は寿命が尽きるまでの消化試合に思えた。
…いや、さすがに酷すぎるだろ、もっとほかになんかないのかよ…。
人生20代で決まっちまうんですか??
さすがにこのまま40年泥にまみれて頑張ってくださいは酷すぎる…。
深夜の埼京線に飛び乗って(終電で帰れた)、
車内でゲロを吐き散らかす女を眺めながら物思いにふけっていると、
突然わが身に神からの天啓が舞い降りた。
そうだ、結婚しよう。
就活では大失敗したが、まだ私の人生には「結婚」というフロンティアが残されている。
もう仕事の軸は捨てるから、せめて最高の結婚を遂げてプライベートをバラ色に染めてやりたい…。
クマだらけの顔でマッチングアプリをダウンロードしたあの日、
わたしの4年にわたる長い婚活の日々が幕を開けたのだった。
…なんで4年もかかったかって?
彼氏いない歴=年齢の*喪女(モジョ)*だったからだよ!!!
チクショォォォォォォォォ!!!!!!!!!
本ブログは、恋愛経験ゼロの筆者が28歳で現夫と出会い、
その後結婚するまでを記録した婚活戦記である。
婚活あるあるエピソードから、息抜きの一人旅兼パワースポットめぐり(アラサー女子あるある)、
占い沼にはまった痛エピソード(婚活女子あるある)、
そして肉弾戦の末に手に入れた数々の婚活ノウハウを余すことなく掲載する。
現在婚活中のすべての男女にこの記録を捧げたい。
ストレスフルな婚活生活の中で、よい息抜きになってくれたら幸いである。
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