
2018年3月。婚活パーティのテーブルを挟んで、私は少女漫画から飛び出してきたような超正統派イケメンと対面していた。
すらりと高い背、堀の深い華やかな顔立ち。
婚活初手で引いた大当たりに「婚活、チョロ(*‘∀‘)」などと錯覚したが──。
これは、恋愛経験ゼロ喪女が出会った「決められないイケメン」の実録である。
前回までのあらすじ
漆黒ブラック企業に入社し人生に絶望していた筆者(Mojo)。
せめてプライベートをバラ色に染めてやりたいと婚活戦線に名乗りを上げたものの、マッチングアプリのプロフィール設定(特に写真)に苦戦し、より手っ取り早い婚活パーティーへの参戦を決意したのだった。
(マッチングアプリのプロフィール設定ノウハウについては後日詳細を記事にしたい。)
喪女、婚活パーティーに参加する

都内では平日含め連日、数多の婚活パーティが開催されているが、そのコンセプトは「20代限定」「アニメオタク限定」「男性年収○○万円以上限定」と実に多様だ。
※女性側に年収制限がある回は、いまだかつて見たことがない。
私は大本命を“男性年収1000万円以上の回”に当てつつ(欲深)、手始めに20代限定の街コンに参加した。
都内某所の居酒屋を貸し切って、男女が20対20くらいの割合で参戦していた。
女子はほぼ全員「白ニット・チュールスカート・ゆるふわウェーブ」。
男子は「黒髪・地味め・優しそう」(チー牛ではない)。
世間では「婚活パーティー=ブスと弱男の寄せ集め!非モテの墓場!」などと言われがちだが(言われない?)、それは会のコンセプト次第である。
少なくとも若年層の街コンは、そこそこ治安のいい面々が集まっていた。
ゆるふわカワイイ女子が大半を占める中、私は原色冴えわたる真っ赤なワンピースを着て参戦し、会場の男子たちをドン引きさせていた。
さながら平和な婚活パーティー会場に突如として現れた珍獣のごとく浮きまくっていたが、ただ一人、私に興味を示したもの好きな男性がいた。
赤信号でも止まらない男

大半の読者の期待を裏切ることになり申し訳ないが、
その男性は少女漫画から飛び出してきたような
超正統派のイケメンだった。
背も高く痩せ型で、思わず「職業はモデルさんですか?」と聞いたほどだった。
モデルではなく、彼は某大手メーカーで製品デザインを担当するデザイナーだった。
聞き上手で物腰も柔らかく、かといって遊んでいる雰囲気もない。
その場でラインを交換し、夜になって「〇〇さんとお話した時が一番楽しかったです!」などとキラキラメッセージを送ってみると…
なんと、
「僕もです!今度2人で会いませんか?」
などと返ってきたではないか!!
ファ~~~~~~~~~~~~!!!!!
婚活終了!!!!!!!!!!!(終わってない)

※筆者の脳内↑
「私ってば日頃の行いが良すぎるからな!神様ありがとう!!チュッ!!」
などと小躍りしながら、私は即座にネットストーキングを開始した。
彼のFacebookを発掘し、出身大学を特定、投稿内容に香ばしいものがないかネガティブチェックを行った。
さらに彼の会社の採用パンフレットを発見。写真付きで本人が登場しており、勤務先も間違いない点確認した。
偽りなきエリート。完全勝利の流れ。
私は勝利の美酒を味わうべく、悠然と初デートの日を待った。
デートまでの期間、私は朝7時出勤・夜2時退社、家に帰る時間がもったいないので職場近くのネカフェに週5で泊まるという地獄の日々を送ったが、彼からのマメで優しいLINEを見ればすべてが無問題だった。
上司の「休日出勤しろ」という圧を無視し、迎えた日曜日──
私たちはプラネタリウムで星を眺めるという少女漫画的デートへ。
完璧な初デート、そして確信

キラキラのお星さまに包まれながら、私の心もきらめいていた。
正直星を眺めている間に2~3回寝落ちしたが、彼は楽しそうだったので無問題だ。
その後は事前のLINEのやり取りで得た彼の‟甘党”情報を生かし、事前にリサーチしておいた苺パフェが名物のカフェへ。
デートは順調そのものだった。
彼は5歳上で落ち着いており、会話は終始穏やかで、優しい時間が流れていた。
私は思った。
「婚活、チョロかったな!(ドヤ顔)」
しかし、婚活の地獄はまだ始まってすらいなかった
しかし私はまだ知らなかった。婚活の本当の闇を。
単なる恋人探しとは違う、「結婚相手」を探す難しさを。
次回予告:「決められない男②」へ続く
次回、「決められない男(後編)」、乞うご期待──。

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