婚活体験記①:決められない男(後編)

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その違和感はじわじわと押し寄せた。

彼は優しく、イケメンでハイスペ、話し方も穏やかでLINEもマメだ。
完璧である。何もダメじゃない。
人生=彼氏なし喪女には、勿体なさすぎる物件であった。


いや、ひとつだけ気になることがあった。
それは――

この人、あまりにも決められなさすぎでは…?

前回までのあらすじ

本ブログは、人生積みまくり社会不適合者の筆者(Mojo)が、コミュ障・芋顔・彼氏いない歴=年齢の三重苦を背負いながら婚活界のヘレンケラーとして婚活地獄を戦い抜いた魂の記録である。

人生初の婚活パーティに参戦し、少女漫画に出てくるような超正統派イケメンと奇跡のマッチを遂げたMojo。
完璧な初デートを終え、「婚活チョロすぎワロタwww」と調子に乗る一方で、筆者は徐々にある違和感を覚えるようになっていた…。

違和感の正体

イケメンの違和感、それは、


「決断力がすこぶる弱い」

 

ことであった。

 

たとえ夕飯の店を決める時ですら彼は何も決められなかった。
こちらが「イタリアン・中華・タイ料理どれがいい?」などと選択肢を提示しても、
「イタリアンはイタリア料理が食べられるし、中華は中華が食べられるし、タイ料理はタイ料理が食べられるよね!」
などと、「AならばA」みたいなことを平気で返してくるのだ。

 

初めのうちは、
「イケメンだし、恋愛は基本受け身スタイルな人なのだろう」
とあまり気にしていなかった。

しかしデートの予定を立てるたびに、
「このおにぎりはとてもOMUSUBIだね」
みたいなやり取りをいちいち挟まなければならないことにだんだん苛立ち始めた。

そのうち私の脳裏には、おぼろげにとある人物の顔が浮かんできた。

これはまずい。
そのうち「結婚はセクシーに解決しなければならない」とか言い出しそうな勢いである。

 

この違和感、許容範囲?

イケメンの名誉のために言うと、彼は決してバカではないのだ。
芸術家肌で、時折哲学者のような概念的話をポエムしてくれる。
(書いていて思ったけど、小泉●次郎も普段ポエムっているな…)

この件を友人に相談すると、彼女たちはイケメンの●次郎構文に爆笑しつつ、

「でも優しいしイケメンだし、勤め先も大企業じゃん。」
「これくらい許容範囲でしょ、高望みしすぎ」

と言うのである。

 

私は悩んだ。

そうなのか…?
優しくてイケメンでハイスペなら、

決断力が小泉●次郎(?)でも気にすべきでないのか…?

 

私って「高望み」?みんなこれくらい気にしないものなの?

   

たしかに、相手が●次郎でも、結婚生活に支障がなければ良いんじゃないか?
試しに結婚生活を想像してみよう。
私が
「おかえりなさい!お風呂にする?ごはんにする?それともア・タ・シ?」
と聞いたする。

するとイケメンは、
「お風呂はお湯が沸いているし
ごはんは食べ物が食べられるし
アタシは君だよね!」
と答えるであろう。

 

 

 

 

 

 

    

  

 

 

  

だめだ。
シベリア送りにしてしまった。

 

 

 

   

 

 

 

待て、ここは冷静になるべきだ。
おそらく友人達の言葉の裏には
 

「おまえ喪女のくせになに贅沢言うとんねん」
 

という戒めも込められているはずだ。

 

ここで自分のプロフィールを書き並べてみよう。

  • 年齢=彼氏なし
  • 喪女
  • ヲタク
  • コミュ障
  • 発達障害グレーゾーン
  • 漆黒ブラック勤め

なんとまあ、実に情けない称号が目白押しである
イケメンはこんな私に好意を持ってくれているのだ。たとえ決断力が小泉●次郎でもいいじゃないか。

ここは付き合うべきだ。私の婚活のゴールはこのイケメンなんだ…

そして3回目のデートへ…

婚活界隈では暗黙のルールとして、
「いいなと思う相手には3回目のデートで意思表示する」
というものがある。
※この意思表示というのがなんともあいまいなもので後日このルールについて掘り下げたい。

イケメンとの3回目のデートは遠方の水族館だった。
朝の気分は最悪だった。

 

行きたくない…

 

イケメンと付き合うと決意したのに、とにかく足が重い。
イルカショーなんて一人で見たほうがまだ楽しい―
そんな気持ちを押し殺して化粧し、イケてるワンピに着替え、外に出た瞬間、

 

 

 

 

 

 

ものすごいに髪も化粧も木っ端みじんにされた。

 

 

 

 

 

台風かと思うほどの荒れっぷり。日本列島は春の嵐に見舞われていた。
私は玄関前で呆然と立ち尽くし、
携帯を取り出し、イケメンにLINEを送った。

 

「すごい天気だね💦違う日にする?」

 

するとイケメンからはこう返ってきた。

 

 

 

  

 

「雨の中のイルカショーもいいかもしれないし、
晴れの日のイルカショーも楽しいかもしれないね!」

 

  

 

 

 

もう無理(*’▽’)

こうしてイケメンとの婚活は終了した。

もし私がバイタリティ溢れるバリキャリつよつよ女だったら、受け身な彼ともうまくやっていけたかもしれないが、私はメンタルよわよわ・誰かに引っ張ってほしい芯ブレブレ女のため、彼とはすこぶる相性が悪かった。

イケメンが爽やか好青年であることは確かなので、たとえ私が放流したところですぐに別のメスが彼を掻っ攫っていくであろう…

そんなことを思っていた1年後、小泉進次郎が滝川クリステルと結婚した。イケメンもつよつよ女と幸せな結婚生活を送っていることを願ってやまない。

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